今年(2016年)も熊本、鳥取と二つの大きな地震に襲われた地震多発国、日本。いざという時のペットの避難に備えて日頃から準備しておきましょう。
「同行避難」
まずはペットを置き去り解放することなく、必ず同行避難を原則としています。
自治体ごとにHPに災害時のペット避難に関する注意を載せていますので、確認してください。ここ我孫子市では以下になります。
原則、同行避難ですが、時間帯によっては家族全員が留守にしている時間も多いと思われます。
ケースバイケースで、様々な対応が必要となってきますので、役所のガイドラインはあくまで原則的な内容となります。
《犬の場合》
イヌの同行避難については、環境省をはじめ様々な自治体や、愛護団体から情報が出ています。
それらは充分に参考になり、心構えも学ぶことが出来ますが、以下の文章は私の考える最小限かつ、これだけやっておけば後はなんとかなるという準備です。
イヌが暴れてもけっして外れない首輪かハーネスを着けて、ステンレスなどの金属製のリードにつなぎ、3日分の餌と食器を持って避難所に向かう。首輪かハーネスには連絡先を(携帯の番号など)をしっかり書いておく。
これだけです。
もちろん、常備薬や、処方食を日頃から使っている場合はそれらとともに、どんな治療をされているかをメモしたものを持っていったほうがいいでしょう。
普通の餌であれば、救援物資として3〜4日で入ってくるはずです。
しかしながら、避難所にいってもケージが用意されているわけでも、食器が用意されてるわけでもありません。イヌとつねに行動を共にすることもおそらくできないでしょう。
金属以外のリードでは、イヌがパニックになったときに噛みちぎって逃げ出す可能性があります。家族から離れてもイヌを絶対に逃がさないこと、万が一逃げた場合も連絡がとれるようにしておくこと。あとはなんとかなります。マイクロチップを入れてあっても、首輪かハーネスに連絡先を書いておいて下さい。
以上のことは、避難所にはいらずに、自動車や、テントや、自宅で避難生活を送る場合も同じです。
《猫の場合》
ネコの同行避難についても情報はたくさんありますが、公的なものでは、イヌに準ずるあつかいになっていることが多く、頭をひねるような内容もあります。
ネコの飼い主さんは大らかというか、あまり突き詰めてお考えになってる方は少ない傾向(あくまで私の私見です)がありますが、よくかんがえると、ネコの同行避難はイヌやウサギにくらべてもやっかいな問題が多いと思います。
以下にその問題を書いていきます。
1) 避難するときにつかまらない。
外出するネコはもちろんですが、家にいてもいざとなるとおとなしくキャリーにはいってくれないケースがあり、これではそもそも同行避難ができません。
普段からキャリーを置いておいて馴らしたり、キャリーで運ぶことに馴らしておきましょう。ダンボールなどで運ぶことはできません。
2) 頭数が多い。
3匹以上飼っている場合は一匹一匹、キャリーで運ぶのも一苦労ですし、ひとつのキャリーに複数いれると中でケンカをする場合があります。
1匹ずつ洗濯ネットに入ると、スポーツバックなどの大きめのバックに複数のネコを入れて運ぶことが出来ます。
3) 避難所でくらすケージがない。
これは本当に悩みどころです。
ネコは、時間をかけると布製のあみは破ることができるので、ケージはしっかりしたものを選ばなくてはいけません。しかしながらしっかりしたケージは重くて荷物になってしまいます。
ウサギのところで紹介した、折りたたみのケージなどがいいのですが、ネコが複数いる場合は狭すぎます。
実は、馴らせばネコにもハーネスが着けられます。ベストタイプの胴体にしっかりと巻くタイプだと、安全に使用できます。人が見ていられないときは狭くてもケージに入ってもらい、人が見てあげられるときは、ベストタイプのハーネスにリードをつけてケージから出してあげるといいかもしれません。
普段からそのようなハーネスに馴らしておく必要はあります。
もちろんネコにも食器は必要ですし、数日分の餌を準備しておきましょう。
☆イヌの場合もネコの場合も、不特定多数が狭いところにくらさなくてはいけないので、防げる感染症にたいしてはしっかりとワクチンを接種し、ノミダニなどの外部寄生虫の予防、また回虫などの内部寄生虫の駆虫もしておきましょう。
これらは、一緒に避難生活する人間の健康のためにも非常に大切なことです。
避難生活が長期間におよぶかもしれない場合にそなえて、ウサギで書いたように、お互いに安全に預けられる先をさがしておければ万全です。
☆ その他、すべてのペットに言えることですが、倒れてきて下敷きにならないように日頃から家具等を固定しましょう。これは人間のためにも必要なことです。
第一種動物取扱業 登録番号 19-松健福300-14