ご注意!熱中症


毛に被われた犬は寒さには強いものの、暑さは苦手です。
汗腺も肉球にあるだけで、人間のように汗をかいて体温調節することができません。犬の体温調節は舌を出してハァハァとする呼吸(パンティングといいます)に頼るしかなく、人間よりも熱中症にかかりやすいと言われています。
夏本番に向けワンちゃんたちの熱中症への注意をいっそうお願いします。

少々難しい話になりますが医学的に説明しますと、熱中症は身体の体温調節がうまく行かず、熱によって全身のタンパク質が変質し、酵素がうまく働かなくなり、細胞膜の脂質が破壊、全身的な細胞壊死が引き起こされます。
卵をゆでたら白身が固まり2度と生卵には戻らないように、タンパク質が変質する重症になってしまうと後遺症が残るケースもあり、また一旦良くなったように見えても1週間後に再発することもあるので、発病後1~2週間は油断大敵です。

熱中症の初期症状を見逃さず、ただちに体温を下げる処置を行ってください。

体温が39.5度まで下がったら、冷やすのをやめ、早めに病院に連れて行きましょう。

熱中症の予防


先に述べたように、熱中症は急激に体温が上がり命にかかわる病気です。たとえ命が助かっても後遺症が残るケースもあります。
大切なワンちゃんを熱中症にさせないために予防が大切です。

・風通し、日当り、湿度に注意してください。

気温がそれほど高くなくても、呼吸で唾液を蒸散させ体温調節しますので、湿度が高いと熱中症にか かりやすくなります。
外飼いの場合は日陰に移動できるように。
室内でも日当りの良すぎる場所はエアコンがあっても危険です。

・いつでも水が飲めるようにしてください。

・夏以外でも天気のよい日は車の中は急激に温度が上がりやすいです。
車内に犬だけを残すことは絶対やめてください。
暑い季節の車の旅行は頻繁に休憩を取り、水分補給と程度な運動をさせる必要があります。

・夏の散歩は日中を避け、早朝や夜に。
アスファルト付近は人間の頭の高さより遥かに高温になるので注意してください。

・短頭種(パグ、ブルドッグなど)、北方種(シベリアンハスキーなど)、肥満犬、子犬、老犬、心臓、呼吸器の弱い犬は一層の注意は必要になります。

参考:「犬の救急マニュアル」(by Bruce Fogle), 「犬の病気事典」http://www.petwell.jp