犬猫の誤飲はたいへん多く、特になんでも噛んで認識しようとする子犬では誤飲の発生率が高くなります。
タバコ、チョコレート、タマネギなどは中毒の危険性が、物体の場合は中毒性がなくても、消化器官に詰まったり、傷ついたり、窒息したりする危険があります。
《よくある誤飲》
焼き鳥のくしなどは良い匂いのため、飲み込んで体内を傷つける危険があります。鳥の骨も縦に裂けるため、同様に危険です。
ボタン電池、タバコは言うまでもありませんが、ヒモ状のものも体内で絡まる危険があるため、おもちゃにさせるのはやめましょう。
また小さなボール等も飲み込む危険があります。犬の大きさに応じたおもちゃを与えましょう。
(アメリカの統計では)犬猫の中毒事故のトップは人間の医薬品だそうです。薬の管理には十分気をつけてください。
《中毒性のある誤飲》
まず犬で有名なタマネギ、チョコレートですが、タマネギだけでなくネギ類は犬猫に貧血を起こさせます。しかしごく少量であれば、それほど慌てなくても大丈夫です。
またチョコレートはテオブロミンという成分の排出時間が長いため、体内に蓄積し中毒症状を起こします。ミルクチョコとビターチョコではテオブロミン量がビターの方が多いので、危険性も高まります。
他にもアボカド、ぶどう(レーズン)、マカデミアナッツなどが犬猫に中毒性があると分かっています。
あまり知られていないのがキシリトールで、
2008年ASPCA(米国動物虐待防止協会 中毒事故管理センター)から犬に有害と報告されています。キシリトール自体に毒性がある訳ではないが、犬のインスリン分泌を急激に促進するため結果として低血糖状態になり、最悪ガム2、3枚でも死に至るケースがあるとのことです。
また中毒の問題では全体として犬よりも猫の方が有毒物質の代謝能力が低いため、犬より少量で危険になります。たとえ人の赤ちゃんや犬には使えるアロマオイルでさえ、猫には有害になるケースもありますので注意が必要です。
《植物の中毒》
他にも中毒の盲点となるのが、草花、観葉植物です。
ユリ科、ツツジ科類は有毒で、とくにユリは猫に危険性が高く、花を生けた水も飲まないようにしましょう。
他にも室内の観葉植物にも犬猫には有毒なものが数多くあるため、犬猫の入る室内には置かない方がよいと思います。
《戸外での中毒》
日本ではむかしから、春から夏にかけて使われる除草剤や、殺虫剤による中毒も多くみられてきました。
特に除草剤は、直接口にしなくとも足や身体に着いた薬剤をなめることにより、中毒をおこすことがあります。 除草剤が使われたような場所を歩いた場合は、帰宅後に水道水で足をよく流して上げてください。深い草むらだった場合は、身体をあらったほうがいい場合もあります。
参考: CLINIC NOTE No.24
http://www.jsvetsci.jp/ 公益法人日本獣医学会HP
第一種動物取扱業 登録番号 19-松健福300-14