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ウサギ小話 第4話「どうやってウサギに草を食べさせるか2」

大人になって、牧草嫌いのウサギの場合はどうすればいいのでしょうか。

あなたのうさぎさんが牧草を食べない場合、牧草を嫌ってたべないのか、それとも食べたくても食べられないのかを判断しなくてはいけません。

こう書くとすぐ判断できそうに読めますが、実際のところこの判断は獣医師でも難しい場合が多々あります。

口にほうりこめば、唾液で柔らかくなってくれるペレットと違って、牧草は前歯である切歯で細く切断され、臼歯で細かくすり潰されなくてはいけません。

この切断とすり潰しがうまくいかないとウサギは食べたくても普通の牧草は食べられないのです。

切歯の不正咬合の場合は口唇をめくってみれば診断がつきますし、飼主のかたでも確認は可能です。まず、切歯を確認してみましょう。

また、いままでモリモリと牧草をたべていたのに、だんだんペレットしか食べなくなった場合は、やはり噛み合わせに問題があるかもしれません。このようなときに切歯に異常がないときには臼歯に問題があるかもしれません。

典型的な牧草嫌いのうさぎさんは、たいてい太っていて、ペレット以外にビスケット、ドライフルーツなど甘いおやつはどんどんおねだりしてくるのに、牧草には見向きもしないようなウサギです。

このような食生活があなたのうさぎさんに思い当たることがあり、結腸便が不揃いだったり、ときどき軟便(盲腸便)が落ちていたりするときは、牧草を食べさせる努力や工夫が必要になってきます。

ここで注意していただきたいことは、食事内容を急に変えることは出来ないということです。

ウサギに限らず、体内に発酵槽を持っている草食獣は、発酵槽に住む微生物が急に変われば必ず健康をそこないます。食事内容の急な変更は微生物にも影響があり、また、単に食べないということだけでも、微生物に大変な迷惑をかけることになります。

まじめなウサギの飼主さんは、一生懸命なあまり、食事の変更を急ぎすぎてかえってウサギの体調を悪くしてしまうことがあります。

長くなってしまいました。具体的な方法は第5話に書いていくことにします。