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ウサギ小話21話 小動物の適温

あけましておめでとうございます。

今回は、日本の寒さは、ウサギや小型げっ歯類にとって適温なのかをテーマにブログを書くことにしました。それぞれの小動物には世界のどの地域に生息していたかという起源があり、得意な温度域があります。是非地図を確認しながら読んでみてください。

 

〈ウサギ〉

 ウサギは大きく、ノウサギとアナウサギに分けられ、世界の広い地域に生息しています。伴侶動物として飼育されるカイウサギはアナウサギが改良されたものです。アナウサギの起源はスペインなどの地中海地方とされています。豪雪地帯のユキウサギ(ノウサギの一種)などのイメージから、ウサギは寒さに強そうなイメージがあるかもしれません。しかしカイウサギの先祖であるアナウサギは地面に巣穴を掘り、エサを食べる時間以外は比較的温度が一定にたもたれる地中で過ごすタイプのウサギのため、温度の変化は苦手なのです。

 

〈モルモット〉

 モルモットは、南米(ペルー南部、チリなど)で家畜化されたものが起源とされています。日本からはほぼ地球の反対側です。ペルーの気候は、日本よりも温暖で乾燥しており、年間通して最低気温は千葉より高めです。また、日本のようなはっきりとした四季は無いそうです。モルモットは高温多湿も苦手ですが、冬の寒さも苦手です。南米出身だと考えると、寒いのが苦手なのも当然という気がします。

 

〈ハムスター〉

ハムスターはゴールデンハムスターがシリアやトルコなどの中東地域、ジャンガリアンハムスターがシベリア、カザフスタンなどに生息しています。住んでいる気候は少し異なりますが、どちらの種類も地面に巣穴を掘り、一日のほとんどを気温の安定した地下の巣穴で過ごします。ハムスターは小動物の中でも特に寒さに弱く、室内ケージでも低体温症を起こし、仮死状態に陥ることがあります。

 

 さて、結論として、日本は四季があり、夏と冬の気温差が大きい気候ですが、小動物たちにとって厳しい温度環境だと思います。

 千葉県の室内でも冬の夜間は冷え込み、寒さによる体調不良が起こります。特に高齢の動物では温度管理は重要な飼育管理です。具体的には最低気温は20度程、理想的には長袖一枚で人が快適なくらいの温度(21-24度くらい)を保つのが良いでしょう。(弱ったハムスターは25度程)

また、耐えられる温度だったとしても、寒さによるエネルギー消費の増加は体重減少を招くことがあるため、昼夜通して最適温度を保つことが大切です。

 保温のための工夫としては、一番簡単なのはエアコンのつけっぱなしです。敷くヒーターなど一部を暖めるタイプの暖房だと、意外とその部分を避けて寝てしまい、冷えてしまう事があるので注意が必要です。エアコン以外の方法としてはケージの周囲を覆い、覆ってある部分全体を暖めるような(ケージの下にヒーターを敷くなど)工夫が必要です。(覆う場合、毛布やビニールは引き込んで誤食の原因となるため、段ボールで覆い、その上から毛布をかぶせる)

まずは温度計を設置してケージの温度確認から、小動物に快適な温度での飼育を目指しましょう。