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ウサギ小話18話「牧草の種類」

お久しぶりのブログ更新となります。今回は牧草についてです。

 ウサギの主食となる牧草ですが、多くの種類が販売されており、産地や何番刈りかの違いなどなかなか奥深いものです。そこで今回からのブログでは、牧草の種類や違いについて簡単にではありますが書いていきたいと思います。

 はじめに、ウサギにとって良い牧草の条件とはという結論を言ってしまうと、第一にウサギが好んで食べること、第二に良質な繊維を含むことです。牧草をモリモリと食べることで物理的に歯が正しく摩耗し、良質な繊維はウサギの消化管の調子を整えてくれます。その辺りのことは、以前のブログ『ウサギ小話1~4』に書かせていただいているので、よかったら参考になさってください。

 さて本題に入り、そもそも牧草とは、草食動物の飼料として生産される作物で、牛や馬などの家畜、またウサギなどの小型草食動物の主食として利用されます。牧草地で刈り取られたのちに乾燥させ、水分を65%→12%まで落とした乾燥牧草(乾草)として流通しています。乾燥させることで流通性、保存性を高め、栄養価も濃縮されます。

 牧草には大きく分けてイネ科牧草とマメ科牧草があります。イネ科牧草は見た目はイネの葉をさらに伸ばしたような長い草で、皆さんが牧草と聞いてはじめにイメージするのはこちらの牧草だと思います(写真)。種類としてはチモシー、イタリアンライグラス、オーツヘイなどがあり、ウサギ用として最も多く利用されるのは何と言ってもチモシーです。高繊維、低蛋白で草食動物の主食として適しており、成長期をすぎた(4-6ヶ月)ウサギの主食として与えるのは主にイネ科牧草になります。

 対して、マメ科牧草は見た目としては太い茎に細かい葉を茂らせ、乾燥させるとやや粉っぽくなるのが特徴です(写真)マメ科と言いますが豆をとる作物とは異なる飼料用作物です。アルファルファやアカクローバーなどの種類があります。高蛋白、高カルシウムで栄養価が高く成長期のウサギに適しますが、繊維量が多くないことや高栄養による太り過ぎ、カルシウムの尿石の原因となることから成長期を過ぎたウサギでは無制限の給与は勧められず、おやつや食欲不振時の栄養補給的な位置付けの牧草です。

 さて今回はこの辺で、次回からそれぞれの牧草について書いていきたいと思います。

 ウサギが牧草を食べる様子は小気味良く、可愛く、なぜか長時間見てしまうものです。ぜひその際は観察をしていただき、硬い茎も食べられるのか、どの牧草を好むのかなどウサギの食性に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

 

チモシー

アルファルファ


                 写真引用:軽種馬飼料標準(2004年版)より